11月11日 火曜日 快晴
秋晴れの空は、残酷なまでに青く、澄み渡っている。
私が率いるプロジェクトチームが、数ヶ月にわたる死闘の末、大型案件の最終コンペを勝ち取った今日のような日には、特に。クライアントの老獪な重役たちが総立ちで送る拍手。パリ本社CEOからの”Congratulations on a job well done. You are a true asset to our firm.”という、最大級の賛辞が記されたメール。そして、チームの後輩たちが向ける、嫉妬と畏敬が入り混じった、熱っぽい視線。そのすべてが、私の築き上げた「神崎美月」という完璧な虚像を、より強固に、より輝かしく塗り固めていく。
だが、光が強ければ強いほど、その下に落ちる影は、深く、濃くなるもの。
タワーマンションの最上階、自宅のラウンジチェアに深く身を沈め、眼下に広がる宝石を撒き散らしたような東京の夜景を眺めながら、私はグラスの中のブルゴーニュを揺らした。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ。その芳醇な香りが、疲弊した脳のシナプスを優しく解きほぐしていく。しかし、私の喉は、私の身体は、もっと別の、原始的で、背徳的で、冒涜的な味を求めて、乾ききっていた。
その時だった。静寂を切り裂くように、スマートフォンの画面が闇の中で光を放ったのは。
『例の変態男』
いつもの、私の想像力を掻き立てるだけの下品なテキストメッセージではなかった。
『今夜は、お前の声だけじゃ足りない。お前の姿が見たい。お前の全てを、この目で見たい。ビデオ通話に出ろ。時間はくれてやる。だが、拒否権はない』
悪魔の切り札:ビデオ通話で晒される「完全な私」
心臓が、氷の手に鷲掴みにされたかのように、きつく、痛いほど収縮した。ビデオ通話…? 声だけではない、私の姿を、この聖域である部屋を、あの男の目に、白日の下に晒せと? 理性が、けたたましく警鐘を乱れ打つ。危険すぎる。ありえない。これはゲームではない。この男は、私の社会的生命線を、キャリアを、人生そのものを断ち切ることのできる、悪魔の切り札を欲しがっているのだ。
しかし。ああ、しかし、だ。
理性の悲鳴をかき消すように、身体の奥深く、子宮のあたりが、ずくん、と重く、熱く疼いた。恐怖と、屈辱と、そして、それに勝る抗いがたいほどの興奮が、濁流となって渦を巻き、私を飲み込んでいく。これは、今までとは違う。これは、本当の「露出」。逃げ場のない、屈辱的なショーの始まり。
スマートフォンの黒い鏡面に、不安げに揺れる私の顔が映っている。あと、数分。私は、この着信を拒否できる最後の理性を、自らの手で放棄するのだろうか。
着信音が、心臓を叩くように鳴り響いた。
表示される、『例の変態男』の文字。
私の指は、主人の意思に反して、まるでプログラムされたオートマトンのように、緑色の通話ボタンを、ゆっくりと、しかし確実にスライドさせた。
繋がってしまった。
画面には、天井だけを映した、薄暗い部屋が映っている。男の顔は見えない。だが、低く、支配的な声が、スピーカーから直接、私の鼓膜を、そして私の脳を震わせた。
『…やっと出たな、俺のM痴女』
【客観の視座】
女は、息を呑んだ。スマートフォンのカメラが捉える自らの顔が、画面の隅に小さく映っている。その顔は、血の気が引き、瞳は恐怖と期待に見開かれている。完璧なメイクも、上品な微笑みも、そこにはない。ただ、これから裁きを受ける罪人のような、怯えた雌の顔があるだけだ。彼女は、まるで祭壇に生贄を捧げるかのように、高価な大理石のローテーブルにスマートフォンを立てかけた。その無機質なレンズは、まるで冷酷な査定人のように、彼女の一挙手一投足を、永遠に記録し始める。
【主観の没入】
声が、聞こえる。テキストの文字とは違う、生々しい、本物の男の声。その声に含まれる支配者の響きが、この部屋の空気を震わせ、私を直接支配しようとしている。ああ、なんてこと。私はなんて愚かで、取り返しのつかないことをしてしまったのかしら。でも、もう後戻りはできない。私のすべては、今、この小さなレンズの向こう側の、見知らぬ男の目に晒されている。下腹部が、きりきりと締め付けられるように痛む。これは、恐怖? それとも、歓喜の産声?
『まず、そこに立て。今日の”戦場”で着ていた鎧を、俺によく見せろ』
命令。拒否することは、許されない。
私は、見えない糸に引かれる操り人形のように、ゆっくりと立ち上がった。
【客観の視座】

カメラの前に、完璧なキャリアウーマンの姿が映し出される。身体のラインを美しく拾う、上質なネイビーのセットアップ。だが、その佇まいは、昼間の自信に満ちたものではない。彼女は、まるで品定めされる奴隷のように、所在なげに両手を身体の横に垂らしている。
男の低い笑い声が、スピーカーから響いた。「いい身体してやがるな、スーツの上からでもわかる。だが、そんな鎧は、今の俺たちの間には不要だ。まず、ジャケットのボタンを一つ、外せ。そうだ、一番上の一つだけだ」 女の指は、微かに震えながら、命令通りにジャケットのボタンに触れた。
【主観の没入】
一つだけ、と彼は言った。なんて意地悪なのかしら。全てを脱がされるよりも、この中途半端な状態の方が、よほど羞恥心を煽る。ボタンを外した隙間から、白いシルクのブラウスが覗く。
その下で、私の乳首が硬く尖っていくのが、自分でもわかる。彼に見られている。私のこの無様な姿が、彼の記憶に、あるいはデータとして、永遠に刻まれてしまうのかもしれない。その背徳的な事実が、私の膝を笑わせ、足元から崩れ落ちてしまいそうになる。

屈辱の暴露:クローゼットの奥の「秘密のオモチャ」
『いい子だ。じゃあ、そのスカートのジッパーを、少しだけ下ろせ。10センチでいい。そこから何が見えるか、俺に報告しろ』
【客観の視座】
女は、言われるがままにスカートのサイドジッパーに手をかけた。ジィ…という、無機質な音が、部屋に響く。言われた通り、10センチだけ開かれたスリットから、ガーターベルトのストラップと、黒いストッキングに包まれた白い太ももが、恥ずかしそうに覗いている。女は、か細い声で、「…ガーターベルトと、ストッキングが…見えます…」と報告する。その声は、屈辱に震えていた。

『声が小さい。もっと大きな声で言え。そして、全部脱げ。ブラウスも、スカートもだ。早くしろ』
【主観の没入】
急かされる言葉に、身体がビクンと反応する。焦らし、辱め、そして、突然突き放す。この男は、人の心の支配の仕方を熟知している。私はもう、思考することをやめた。言われるがままに、ブラウスのボタンを乱暴に引きちぎるように外し、スカートを床に落とした。後に残されたのは、上半身はレースのブラジャー、下半身はガーターベルトとパンティー、ストッキングという、なんともアンバランスで、淫靡な姿の私。もう、後戻りはできない。
『ほう、立派な乳だな。だが、それだけじゃ足りない。お前の秘密のオモチャを見せろ。お前が、俺のいない夜に、どんなもので自分を慰めているのか、この俺に見せるんだ』
【客観の視座】
それは、最も聞きたくなかった、最も屈辱的な命令だった。女の顔から、完全に色が失せる。「…そんなもの、ありません」と、か細く抵抗する。しかし、男は冷たく笑うだけだ。

『嘘をつくな。お前みたいな痴女が、持っていないはずがないだろう。クローゼットの奥か、ベッドの下か? 探し出して、カメラの前に持ってこい。さあ、早く』 女は、観念したように、ふらふらとウォークインクローゼットへ向かう。そして、ブランドバッグが並ぶ棚の、一番奥の箱から、ビロードの袋に包まれた、ある物を取り出した。
【主観の没入】
見られた。私の、いちばんの秘密。誰にも知られてはいけない、私の夜の共犯者。それを、今から、あの男の前に晒さなければならない。カメラの前に戻ると、彼は言った。『袋から出せ。そして、それがどんなものか、俺に説明しろ』 私は、震える手で、袋からそれを取り出した。肌の色に近い、シリコン製の、生々しい形状をしたディルド。長さは20センチほどだろうか。静脈までリアルに再現されている。私は、涙声で、その見たままを説明させられた。「…肌色で、先の部分が少し反っていて…血管のような筋が、入っています…」
『いいオモチャじゃないか。じゃあ、それを使え。まず、その冷たい先端で、お前の乳首を嬲れ。ブラジャーの上からだ。どんな感じがするか、教えろ』
【客観の視座】

女は、言われるがまま、ディルドを自らの胸元へと運んだ。ブラジャーのレース越しに、硬い先端が乳首の突起に押し付けられる。ひんやりとした無機質な感触に、女の身体が「ひゃっ…!」と小さく震えた。
しかし、その冷たさが、逆に内部の熱を際立たせる。女はディルドをゆっくりと動かし、乳首を円を描くように刺激し始めた。半開きの口から、熱い吐息が漏れ始める。
【主観の没入】
冷たい。硬い。でも、その感触が、私の身体の熱を思い出させる。レース越しに、硬い先端が、私のいちばん感じるところをゴリゴリと抉ってくる。ああ、だめ。これだけで、もう、下の方が、きゅうっとなって、じゅわりと蜜が溢れてくるのがわかる。早く、早くブラジャーを外して、直接この硬いもので、私の乳首をいじめて欲しい。
根元まで入れろ!画面越しの「彼」に貫かれる快感
『焦るなよ、痴女。パンティーの上からだ。そのオモチャで、お前の濡れている場所を、擦ってみろ。そうだ、もっと強く。布が擦れる音を、俺に聞かせろ』
【客観の視座】
女は、ディルドをゆっくりと下腹部へと降ろしていく。そして、愛液でぐっしょりと濡れたパンティーのクロッチ部分に、その先端を押し付けた。そして、命令通り、強く、円を描くように擦り始める。

シルクの布と、濡れた肌と、シリコンのオモチャが擦れ合う、じゅく、じゅく、という、背徳的な水音が、部屋に響き渡った。女の腰は、もはや意思とは関係なく、くねくねと動き始めている。
『…いい音だ。もう限界だろう。パンティーをずらせ。そして、お前の恥ずかしい場所を、カメラによく見せつけながら、そのオモチャの先端で、クリトリスを優しく撫でろ』
【主観の没入】
ああああ……! 見ないで。でも、見て。これが、今の私。あなたの命令と、この無機質なオモチャだけで、こんなにも、みっともなく、だらしなく濡れきってしまった、私の、本当の姿。ディルドの冷たい先端が、熱く腫れ上がった私のいちばん敏感な場所に触れた瞬間、脳天まで突き抜けるような快感が走った。「あッ、ぁんっ…!」 声を、抑えられない。もう、プライドなんて、どこにも残っていない。私はただ、あなたに支配され、辱められることを待つだけの、雌の獣。
『さあ、挿れろ。俺の代わりだと思って、ゆっくり、ゆっくりだぞ。お前の中が、どんな風に俺の代用品を咥え込むのか、実況しろ、美月』
【客観の視座】

男が、再び彼女の名前を呼んだ。それが、合図だった。女は、ディルドの先端を、ぬるぬると滑る自らの入り口に当てる。そして、1ミリ、また1ミリと、息を殺しながら、その異物を体内に受け入れていく。
「…ひっ…ぁ…、はいって、きます…、わたしの、なかが…、きゅうって、しめつけて…ひゃぁっ…!」 内部の襞が、まるで生き物のようにディルドに絡みつき、その侵入を拒むかのように、しかし、もっと奥を求めるかのように、脈打っている。
【主観の没入】
入ってくる。冷たくて、硬くて、大きくて、無機質なものが、私のいちばん奥へ…。でも、もう、これはただのオモチャじゃない。あなたの、あなたのモノ。そう思うと、冷たいはずのシリコンが、まるで熱を持っているみたいに感じる。あなたの脈動が、この中で、ドクンドクンと響いている。ああ、もう無理、無理よ。早く、この偽物でいいから、私の奥を、ぐちゃぐちゃに掻き乱して!
『そうだ、いいぞ。もっと奥まで、根元まで全部入れろ! そして、俺がお前の腰を掴んで、激しく突いているように、そのオモチャを動かせ! 俺の名前を呼べ! 汚く鳴け! 神崎美月!!』
【客観の視座】
最後の命令が、引き金となった。女は、ディルドを根元まで一気に突き入れた。喉の奥から、絶叫に近い悲鳴が上がる。そして、自らの手で、そのディルドを激しく抜き差しし始めた。それは、もはや自慰行為ではない。幻想の男に、激しく犯されている、凌辱の儀式そのものだった。カメラのレンズ、その一点だけを見つめながら、彼女は、自己の崩壊を迎える。
【主観の没入】
ああああああッ! あなたの、なまえ…! あなたが、わたしの、なかに、いるッ! おっきい、のが、奥の、奥を、ぐりぐり、えぐって、るうぅぅぅッ! いっちゃう、いっちゃいますうぅぅぅ、あなたの、せいで、わたし、こわれちゃうううううううーーーーーッ!!!
【客観の視座】
絶頂。獣の咆哮のような、長い、長い嬌声が響き渡った。女の身体は、ガクガクと激しく痙攣し、その中心からは、限界まで溜め込まれていたものが、何度も、何度も、奔流となって溢れ出した。ディルドを握りしめたまま、その場に崩れ落ち、痙攣する様を、スマートフォンのカメラは、ただ静かに、記録し続けている。
スピーカーから、男の低い、満足げな声が聞こえる。
『…最高だったぜ、俺だけの痴女。そのオモチャは、俺だと思って、大事にしろよ』
通話は、一方的に切られた。
静寂が、戻ってくる。
後に残されたのは、画面に映る、無様で、汚れて、しかし、どこか恍惚とした表情の、私だけだった。
この夜の続きを、貴方も体験する…。
我々が売るのは「モノ」ではなく「コト(体験)」です 。
神崎美月の日記が貴方の心に火をつけたのは、理性と背徳が交錯する、この唯一無二のエロティシズム 。
貴方の内なる欲望を、もう止めることはできません。
この映像は、神崎美月が辿り着いた「官能という名の真実」のさらに奥深くへと、貴方を引きずり込むでしょう。

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