2025年10月29日 霧のち、濁流
まただ。また、この時間がやってきてしまった。
M&Aのデューデリジェンス。相手方の弁護士が、まるで学生の発表会のようなプレゼンテーションを延々と続けている。スクリーンに映し出される、意味の羅列。重要性の低いリスクを、さも重大なディールブレーカーであるかのように語る、抑揚のない声。
──KPIのトラッキングが非効率的である、ね。ええ、存じ上げておりますわ。だからこそ、我々が参画する意味があるのだけれど。
内心で毒づきながらも、私の表情は完璧なポーカーフェイスを保っているはず。背筋を伸ばし、軽く顎を引いて、知的な光を宿した瞳で相手を射抜く。ハーバードで、そしてこのファームで徹底的に叩き込まれた「神崎美月」という鎧。決して弱みを見せず、常に冷静で、論理的。それが、私の価値。
けれど、退屈という名の酸は、時として最強の鎧さえも溶かしてしまうらしい。無能な男が支配する空間の、淀んだ空気。それが私の理性を少しずつ蝕んでいく。
ああ、だめ……。意識が、また、深く、白い霧の中へと沈んでいく……。
不意に、重役の一人の低い声が響いた。
「神崎さん、君は先ほどから我々の話を聞いているのかね?」
ハッとして顔を上げる。会議室の全員の視線が、私一人に突き刺さっていた。まずいわ、完全に意識が飛んでいた。
「…申し訳ありません。少々、別の角度から本件のリスクを…」
言い訳を口にしかけた私を、別の男が嘲るように遮る。
「リスク?違うだろう。どうせ、また何かスケベなことでも考えていたんじゃないのか?」
その下品な言葉が、幻想への引き金だった。
「何を…!」
私が抗議の声を上げるより早く、屈強な男たちが両脇から私を掴み上げ、まるで供物のように、重厚なマホガニーの会議テーブルの上に乱暴に抱え上げられた。
「きゃっ…!離しなさい!」
バサリ、と音を立てて、仕立ての良いスーツのジャケットがこじ開けられる。シルクのブラウスの上からでも、私の胸の二つの尖りがくっきりと形を主張しているのがわかった。
「ほうら、見ろ。ノーブラだ」
男たちの、粘つくような視線。獣の群れに放り込まれた裸の獣。その事実に、背筋がぞくぞくと快感に打ち震えるのを止められない。
「やっぱりそうか。淫乱な女だ」
男の一人が、私のブラウスのボタンに手をかけ、一つ、また一つと引きちぎるように外していく。露わになった豊満な美乳。その先端は、すでに硬く尖り、助けを求めるように上を向いていた。
「会議中にどうして、こんなに乳首が固くなるんだ?やっぱり、スケベなことを考えていたんだろ。」
「ほら、考えているだけじゃなくて、そこで自分の胸を揉んでみろよ」
「なんて失礼なことを…!やめて、乱暴はしないで!」
プライドが、最後の抵抗を試みる。けれど、男たちは許してくれない。
「会議に集中しないで、いやらしいことを考えていたお前が悪いんだ」
私の手首を掴み、無理やり自分の胸へと押し付ける。冷たい指先が、熱を持った肌に触れた瞬間、ビクン、と体が跳ねた。
最初は、ただ触れさせられているだけだった。けれど、会議室中の男たちの視線が、私の胸へ、そしてスカートの中へと突き刺さるのを感じるうちに、だんだんとおかしな気分になっていく。抵抗していたはずの指が、いつの間にか自らの意思で乳房を捏ね、指の股で硬くなった先端を、優しく、そして強く挟み込んでいた。
「そうだ。その調子だ。そうやって一人で慰めるのが好きなんだろう?」
男たちの卑猥な声援が、私の理性を溶かしていく。違う男たちが私の両脚を掴み、乱暴に押し広げる。抵抗できない。したくない。ガーターベルトで吊られたストッキングの向こう、剥き出しの太ももの付け根に、男たちの視線が突き刺さる。
「下着もいやらしいのをつけてるな。これで男を誘うつもりだろ」
「それとも、すぐにいやらしいところを触れるようにか?」
「おいおい、見ろよ。クロッチにシミができてるぜ」
「本当だ。どんだけスケベなんだよ、この女」
ああ、見られている。私の羞恥が、欲望が、すべて白日の下に晒されている。
「そんなに見てほしいなら、自分で見せてみろ」
悪魔の囁き。私は、まるで操り人形のように、ゆっくりと指を伸ばし、濡れたクロッチを、そっと横にずらした。
決壊したダムのように、白い蜜が溢れ出す。すでに花弁は熟れきって開き、恥ずかしいほどの粘液を滴らせていた。
「うわ…なんだこれ。もうびしょ濡れじゃねえか」
「自分で触って見せろよ。そのスケベな穴の中をな」
命令されるまま、私は右手の指を、自分の秘密の場所へと沈めていく。左手は、まだ自分の乳首を弄んでいる。恥ずかしい。でも、気持ちいい。指をかき混ぜるたびに、ぬるり、とした生温かい感触と共に、自分の中から白い蜜がさらに溢れ出し、磨き上げられたテーブルの上に、小さな蜜のたまりを作っていく。
「こんなスケベな体、見たことがない」
男の言葉に、私の顔はもう、うっとりと蕩けてしまっていたに違いない。瞳は虚ろに宙を彷徨い、思考は快感の波に攫われていく。
「物欲しそうな顔してるな。指だけじゃ、物足りないんじゃないか?」
「…どうしてほしい?自分の口で言ってみろ」
最後の、理性の欠片が砕け散る音がした。
「…お、男の…ひとの…っ…ものが…ほしい…です…っ」
「それだけじゃ、わからないだろ。どこに欲しいんだ?」
理性が崩壊しかけた美月は、ついに雌に堕ちて禁断の言葉を口にする。
「硬くなった・・・男の人のものを・・・私のこのいやらしいオXXコにください。」
その言葉が合図だった。
私はテーブルの上で、肘を後ろについて体を支え、脚をさらに大きく開かされる。そして、熱く、硬い、現実が、私の願いに応えるように、ゆっくりと内側を押し広げてきた。
そして、美月は男を誘う痴女の顔で、自分の花弁を指で広げ、白い蜜が絶え間なく溢れ出すソコを男に見せつけ物欲しげな雌の顔を晒す。
これはもう、幻想ではない。私の指ではない。男たちの、血管が浮き立つほどの熱を持った、硬い現実そのものだ。
ぐちゅ、じゅるり、と私の蜜が男たちの猛りに絡みつく、いやらしい音が会議室に響き渡る。私の内部のヒダが、まるで生き物のようにそれに吸い付き、絡みつき、その先端を子宮の奥深くへと導いていく。
「すげえ…こいつの名器、吸い付いてくる…」
「奥が、きゅうきゅう締め付けて…ああ、もうだめだ…!」
男たちの賞賛とも罵倒ともつかない言葉のシャワーを浴びながら、私の思考は完全に停止した。外資系コンサルタント「神崎美月」は、もうどこにもいない。ここにいるのはただ、男たちの欲望を受け入れ、快感に喘ぐだけの、淫乱な痴女。
次から次へと打ち付けられる、硬い楔。そのたびに、私の奥深くが熱く疼き、白い奔流が幻想の彼らを満たしていく。ああ、もう、だめ。私のすべてが、彼らのもので満たされて、壊れていく──。
「──以上が、本件における潜在的リスクの概要です」
…え?
甲高い声で、私は現実へと引き戻された。目の前では、まだあの弁護士が退屈なプレゼンを続けている。
会議室の空気は、相変わらず淀んだまま。誰も、私を見てなどいない。
けれど。
スカートの下で、私のストッキングとガーターベルトは、すでにぐっしょりと濡れていた。幻想が残した、確かな現実の証。
私は誰にも気づかれないように、そっと脚を組み直し、内ももをきつく締め付けた。
ああ、早く。早くこの会議を終わらせて。
今夜は、この熱を持て余したままでは、到底眠れそうにないのだから。

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