11月8日 (土) — 偽りの仮面と、剥がされるべき本性
シンギュラリティはまだ訪れない。けれど、私の内なる世界では、とっくの昔にAIが人間を超えているのかもしれない。昼間の私――神崎美月は、まるで寸分の狂いもなくプログラムされたアンドロイドのように、完璧なロジックと鉄の仮面で武装している。
今日もそうだった。クライアントである国内最大手製造業の役員たちが並ぶ、重苦しい会議室。私が提示した事業再編案に対する、古狸たちの粘着質な詰問。私は表情一つ変えず、ただ淡々と、QBR(四半期ビジネスレビュー)のデータを引用し、彼らの感情論を事実で塗り潰していく。
「ご懸念は理解いたします。しかし、このポートフォリオの最適化によるIRR(内部収益率)の上昇は、マーケットの期待値を200ベーシスポイント上回る見込みです。これは感傷で判断すべきフェーズではありませんわ」
冷たく言い放つと、抵抗を諦めた重役の一人が、深い溜息と共に椅子に背を預けた。勝利の瞬間。けれど、私の心は少しも満たされない。むしろ、アドレナリンが沸騰した後の、奇妙な虚無感が全身を支配する。この極度の緊張とストレスこそが、夜の私を淫蕩な獣へと変える、最高の触媒なのだから。
デスクに戻り、ラップトップの光を浴びながら、指先だけは別のタスクを処理していた。マッチングアプリの、メッセージ画面。数日前にマッチングした男からの、短いテキスト。
『今夜、20時。丸の内ホテルのメインバーで。君の「本当の顔」に興味がある』
彼のプロフィールは簡素だった。外資系金融、32歳。それだけ。けれど、添えられた一文が、私の理性の奥深く、硬い地層の下に眠るマグマを揺さぶったのだ。
『従順で、知的な雌を探している』
雌。その一文字が、私のすべてだった。ハーバードで学んだ知識も、年収数千万を稼ぎ出すスキルも、この原始的な一文字の前では、何の価値もない。今夜、私は彼による面接を受けるのだ。神崎美月という商品が、彼の求める「痴女」のスペックを満たしているのかどうかを、値踏みされるために。考えるだけで、太腿の付け根がじくりと熱を持った。シルクのショーツの下で、秘裂が微かに震えるのがわかる。大丈夫、まだ誰にも気づかれていない。私はまだ、完璧なコンサルタント、神崎美月なのだから。
指定されたホテルのバーは、東京の夜景を支配する傲慢なまでの美しさで満ちていた。私は予約席に案内され、一人、ジントニックのグラスを傾ける。今日の私は、勝負服だ。タイトな黒のワンピースに、肌を滑る感触が官能的なシルクのランジェリー。そして、もちろん――。
パンティストッキングは穿いていない。太腿でレースが肌を食む感触がたまらない、ガーターベルトで吊られたストッキング。もしもの時…いいえ、必ず訪れるその時のために、すぐに秘部を晒せるように。このささやかな背徳と露出の準備が、私のM心を静かに、しかし確実に昂らせていく。
約束の時間きっかりに、彼――亮さんと名乗った男は現れた。想像していた通りの、鍛えられた身体を上質なスーツに包んだ、隙のない男。けれど、その瞳の奥には、獲物を品定めするような冷たい光が宿っていた。
「はじめまして、神崎さん。プロフィール写真より、ずっと魅力的だ」
「亮さんこそ。お仕事、お忙しいのではなくて?」
当たり障りのない会話。互いの経歴、仕事への矜持、東京という街について。まるでビジネスディナーのような応酬が続く。けれど、テーブルの下では、まったく別のコミュニケーションが始まっていた。
(A. 客観の視座:もう一人の神崎の声)

見なさい、あの女を。神崎美月という名の、高級娼婦を。男の言葉に知的に相槌を打ちながら、その指先はテーブルクロスの下で、自身の太腿をそろりそろりと撫で上げている。男の視線が自分の胸元に注がれるのを感じると、わざとらしく背筋を伸ばし、Fカップの美乳の存在感を強調する。
スカートの裾を、ほんの数ミリ、たくし上げる。ストッキングを留めるガーターベルトの金具が、あと少しで露わになりそうだ。あの男は気づいているだろうか。この女の、隠された淫乱な本性に。ああ、もっと見られたい。この女の品格が、欲望によって崩れ落ちる様を、あの男に目撃してほしいのだ。
「神崎さんは、ストレスが溜まるとどうされるんですか?」
亮さんの声が、私の妄想を打ち破った。
「そうですね…美術館で静かに絵画を眺めたり、かしら」
嘘。真っ赤な嘘。私が本当に求めるのは、静寂ではなく、支配と屈辱の騒音なのに。
支配者による面接:テーブルの下の「ノーパン」という秘密
「ふうん。何か、人には言えないような解放の仕方があるように見えるが」
彼の視線が、私の嘘を貫いた。私は、喉が乾くのを感じた。
(B. 主観の没入:肉体の神崎の声)
やめて。そんな目で見ないで。私の内側を、暴こうとしないで。でも…ああ、もっと。もっとあなたの冷たい視線で、私を丸裸にして。私の嘘を、見抜いて。この完璧な仮面を、あなたの手で剥がしてほしいの。もう、テーブルの下で脚を組んでいるだけじゃ我慢できない。スカートの中で、私の指がショーツのシルク地に触れてしまう。ああ、もうこんなに湿っている…。だめ、だめよ、神崎美月。あなたは、こんなスケベな女じゃないはず…。
グラスを置くふりをして、私はほんの少しだけ腰を浮かせ、ショーツのクロッチをずらした。ストッキングとガーターベルトだけが、私の最後の砦。じかに触れる椅子の革の感触が、背徳感を煽る。ノーパンで、こんな場所にいる。この男に見つかったら、私はどうなってしまうのだろう。
「場所を、変えようか」
亮さんの低い声が、私の耳朶を打った。それは、質問ではなく、決定だった。抗えるはずもなかった。
彼に導かれるままに通されたのは、同じホテルの、最上階にあるスイートルームだった。部屋に入った瞬間、彼は背後からドアに鍵をかけ、その冷たい金属音は、私の理性にかけられた最後の枷が外れる合図となった。
「さて、神崎さん。最初のテストだ」
彼はそう言うと、部屋の中央に置かれた豪奢なソファを指差した。
「まずは、その完璧なキャリアウーマンの鎧を、一枚ずつ、私の前で脱いで見せなさい」
(A. 客観の視座:もう一人の神崎の声)
命令が下された。さあ、どうする、神崎美月。昼間の君なら、こんな屈辱的な要求は一笑に付すだろう。だが、見てごらん。鏡に映る君の顔を。怯えと、それ以上の期待に頬を紅潮させ、唇は微かに震えている。完全に、発情した雌の顔だ。

ほら、指先がワンピースのジッパーに触れた。ゆっくりと、まるで儀式のように、その鎧が下ろされていく。黒い布地が滑り落ち、露わになったのは、上質なシルクに包まれた豊かな乳房と、くびれた腰のライン。男はまだ何も言わない。ただ、冷徹な目で、君の肉体を検分している。値踏みされているのだ。君という存在そのものが。
ワンピースが床に落ちる。ブラジャーとショーツ、そしてガーターベルトで吊られたストッキングだけの姿になる。羞恥心で、全身の肌が粟立った。
「下着はいい。そのままでいい」
亮さんは、私の羞恥心を弄ぶように言った。
「その代わり、君が私を騙していないことを証明してもらおうか。本当に、すぐに触れられる準備ができているのかどうかを」
(B. 主観の没入:肉体の神崎の声)
証明…。ああ、この人は、私がノーパンではないかもしれない、と疑っているのね。パンティストッキングの厚い壁で、この淫らな部分を隠していると思っているんだわ。違う、違うの。私は、あなたにすぐにでも犯してもらえるように、準備してきた痴女なの。それを、どうやって伝えればいい?どうすれば、私のMな魂を、あなたに分かってもらえるの…?
私は、震える足で一歩、彼に近づいた。そして、自分でも信じられないような大胆な行動に出た。彼の目の前で、ゆっくりと膝を折り、スカートがあった位置までショーツを引き下げたのだ。
(A. 客観の視座:もう一人の神崎の声)

信じがたい光景だ。あのプライドの高い神崎美月が、男の前で自ら下着をずらし、恥部を晒そうとしている。シルクの布地が下がるにつれて、しっとりと濡れた黒い茂みが姿を現す。そして、その中央。恥ずかしそうに顔を出す、膨張したクリトリス。
ああ、見てごらん。粘り気のある愛液が、一本の透明な糸を引いて、太腿を伝おうとしている。なんという淫乱な光景だろうか。男の目が、愉悦に見開かれるのがわかる。そうだ、それでいい。君はもう、ただのスケベな女なのだから。
私の証明を見た亮さんは、満足そうに頷いた。
「合格だ。では、次のテストに移る」
鏡の前の屈辱:私が私を開発する痴女の儀式
彼は私を立たせると、部屋の壁一面を占める巨大な鏡の前に連れて行った。
「そこに映る自分を、よく見なさい。そして、私が言う通りに、その身体を開発していくんだ」
鏡に映る自分の姿は、まるで別人だった。頬は上気し、瞳は潤み、半開きの唇からは、吐息が漏れている。昼間の私の面影はどこにもない。そこにいるのは、ただ支配されることを待つ、一匹の雌だった。
「まずは、その美しい乳房からだ。服の上からではなく、直接、その肌に触れろ」
亮さんの声は絶対だ。私は言われるがまま、自分の指でブラジャーのカップを押し上げ、その隙間から指を滑り込ませた。
(B. 主観の没入:肉体の神崎の声)
ああ、自分の指なのに、まるで他人の指みたい。冷たい指先が、火照った肌に触れる。ぞくぞくと背筋を快感が駆け上っていく。鏡の中の私と目が合う。なんて、なんていやらしい顔をしているの…。亮さんは、その後ろで腕を組んで、私のすべてを見ている。見られている。支配されている。この感覚が、たまらない…。
指令は、執拗なまでに緻密だった。乳首の先に触れる、指の腹で転がす、二本の指でつまみ上げる、根元をこねるように刺激する。その一つ一つのプロセスを、私は鏡の中の自分を見つめながら、忠実に実行していった。
「そうだ、いい子だ。次は、下だ。その濡れそぼった君の秘密の花園を、私に見せつけながら愛でてごらん」
(A. 客観の視座:もう一人の神崎の声)
女は、もう完全に理性を失っている。言われるがままに、ショーツのクロッチを完全に横にずらし、自身の恥丘を鏡に映し出す。指が、濡れた茂みをかき分ける。膨れ上がったクリトリスを、まるで宝石でも確かめるかのように、そっと撫でる。

粘着質な水音が、静かな部屋に微かに響く。ああ、もう糸を引くどころではない。愛蜜が止めどなく溢れ、彼女自身の指と太腿を汚していく。その様を、彼女は恍惚とした表情で、鏡の中に見入っている。自分がどれほど淫らな存在であるかを、視覚で確認し、興奮を増幅させているのだ。
指が一本、また一本と、私の熱いナカへと飲み込まれていく。壁面の蠢き、締め付け、奥から込み上げてくる熱。すべての感覚が、鏡の中の視覚情報と結びつき、私の脳を焼き切っていく。
(B. 主観の没入:肉体の神崎の声)
もう、だめ…亮さん、見て…。私、こんなになっちゃった…。あなたの声だけで、あなたの視線だけで、こんなにぐちゃぐちゃに濡れて、自分を慰めるしかできない、いやしい痴女になっちゃったの…。ああ、もう指だけじゃ足りない。もっと、もっと硬くて、大きくて、熱いもので、私のこの空虚を、めちゃくちゃに貫いてほしい…!
私の喘ぎ声が、懇願に変わったその時だった。
支配する「雄」と支配される「私」:対数スケールの終着点
現実の亮さんの姿が、私の視界から消えた。彼の存在が薄れ、私の脳内にだけ存在する「完璧な支配者」のイメージが、部屋の空気を満たしていく。そうだ、私が本当に求めていたのは、この幻想。私のすべてを凌駕する、絶対的な雄の存在。
私のナカを掻き回していた現実の指の感覚が、次第に変質していく。それはもはや指ではない。熱く脈打つ、巨大な男根の先端だ。私の敏感な壁を擦り、Gスポットを探り当てるその動きは、もはや私の指の動きではなく、幻想の彼が、私の性感帯を知り尽くした上で与える、計算され尽くした愛撫へと上書きされていく。
「ああッ…!」
幻想の彼のペニスが、現実にはありえない角度で、私の最深部を抉る。その硬さ、熱、血管が浮き出る感触。それは、あまりにもリアルな幻想の感覚だった。それと同時に、現実の私の肉体は、その強烈な刺激に正直に反応する。子宮がきゅうっと収縮し、愛液がさらに溢れ出し、内壁が痙攣しながら幻想の彼を締め上げる。現実と幻想の快感が混じり合い、螺旋を描きながら、私の意識を天へと打ち上げる。
幻想の彼が、私の奥の奥で、そのすべてを解き放つ。熱い奔流が、私の内部を満たしていく。その瞬間、私の思考は完全に停止した。神崎美月という人格は消え失せ、社会的地位も、知性も、プライドも、すべてが融解していく。私はもう、私ではない。ただ、雄の支配を受け入れ、快感に身を震わせ、白目を剥いて痙攣するだけの「雌」という名の肉塊に還っていく。ああ、これこそが、私の本当の姿なのだ。
どれくらいの時間が経ったのか。気がつけば私は、汗で湿ったシーツの上に、一人で倒れ込んでいた。亮さんの姿は、もうどこにもなかった。テーブルの上に置かれた部屋のカードキーだけが、今夜の出来事が現実だったことを示している。
気だるい身体を起こし、窓の外に広がる東京の夜景を見下ろす。さっきまで私を支配していた熱狂は嘘のように静まり、街は冷たい光を放っているだけだ。
また明日からは、完璧なコンサルタント、神崎美月を演じなければならない。けれど、それでいい。この身体の奥深くに刻み込まれた、雌としての灼熱の記憶。この痴女の魂こそが、偽りの仮面を被って生きる私の、唯一の真実なのだから。
今夜の面接は、きっと合格だったに違いないわね。
この背徳的な夜の続きを、貴方も目撃する…。
あなたの最も深い欲望は、「誰かの前で、知性という仮面を剥がされる」こと。
完璧な女のプライドと、その秘めた肉体が、抗いがたい支配の力によって徐々に崩壊し、獣の快感に身を委ねていく様を、貴方も覗き見る覚悟がありますか。
この映像は、神崎美月が味わった「優越感からの絶対的な堕落」の世界に、貴方を引きずり込むでしょう。

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