2025年10月19日 溶解する理性、沸騰する蜜
深夜二時。
モニターのブルーライトだけが、静まり返ったリビングをぼんやりと照らしている。数日間に及んだクロスボーダーM&Aの案件資料。その最終FIX版をクライアントに送付し、私はようやく深い、深い溜息をついた。アドレナリンが急激に凪いでいく感覚。成功へのプレッシャーと、ミリ単位のミスも許されない緊張感から解放された身体は、まるで鉛のように重かった。
シャワーを浴びて頭を冷やそうとしたのが、間違いだったのかもしれない。
熱いお湯が肌を伝うたび、冷えるどころか、身体の芯に燻っていた熱が、かえって燃え上がっていくのを感じる。昼間、私を完璧なコンサルタントとして機能させていた分厚い知性の鎧。それが、湯気と共に溶けていく。
「……少しだけ、悪い子になりましょうか」
誰に言うでもなく、そう呟いていた。
バスルームを出て、クローゼットの奥から手に取ったのは、身体のラインを容赦なく拾い上げる、薄手のニットワンピース。そして、いつもは私を支えてくれるシルクのブラジャーとパンティーを、ソファの上に無造作に脱ぎ捨てた。
素肌に直接触れるニットの感触が、ぞくぞくと背筋を駆け上がる。ブラジャーの支えを失った豊満な胸は、重力に従って自然な丸みを描き、その先端は生地の上からでも、誰の目にも明らかなほど、くっきりとその存在を主張している。膝上20センチはあろうかという短い裾。少し屈んだだけで、足の付け根の柔らかな膨らみまで露わになってしまいそうだ。
昼間であれば、絶対にありえない。けれど、今はもう誰も見ていない真夜中。この密やかな背徳感が、私の心を甘く痺れさせる。
ふらりと、まるで夢遊病者のようにマンションを出て、数分歩いた場所にある川沿いの小さな公園へ向かった。ひんやりとした夜風が、火照った肌を撫でていく。ノーブラ・ノーパンの無防備な身体に直接触れる風が、たまらなく煽情的だった。
ベンチに腰を下ろし、安堵感に身を委ねていると、ふと、駅へと続く道の公衆トイレの近くに、いくつかの段ボールが積まれているのが目に入った。ホームレスの家、かしら。社会のKPIからもドロップアウトした、片隅の存在。それをぼんやりと眺めているうちに、私の思考は現実の輪郭を失い、また、あの抗いがたい幻想の世界へと滑り落ちていった。
—
…男たちの影が、私の逃げ道を塞ぐように現れた。ニヤニヤと品定めするような視線が、私の全身を舐め回していく。一歩、また一歩と距離を詰められ、あっという間に多目的トイレの冷たい壁に追い詰められた。ガチャリ、と無慈悲に鍵が閉まる音が響く。
だが、男たちはすぐには私に触れようとしなかった。まるで獲物をいたぶるように、言葉のナイフを抜き放つ。
「おいおい、こんな時間にエリートのお嬢様がお一人か?寂しいんだな」
「その服、体の線が全部見えてんぞ。特にその胸。ブラしてねぇだろ。ワザとだよな?」
「見ろよ、俺たちの視線で胸の先っちょ、カチカチになっちゃってるぜ。正直な体だな、おい」
「慶應だかハーバードだか知らねえが、昼間は難しい顔してんだろうな。でも今はどうだ?俺たちみたいな社会の底辺の男共に囲まれて、怯えてるフリしながら、腰が震えてるじゃねえか。あれ、これって武者震いってやつか?興奮してんだろ?」
違う、違う、違う…!心の中で必死に否定する。けれど、私の身体は正直すぎた。彼らの下卑た言葉の一つ一つが、私の理性を溶かし、代わりに純粋な熱を注ぎ込んでくる。スカートの中で、秘めた泉がじわりと潤み始めるのが、自分でもわかってしまった。
「黙ってんじゃねえよ、このスケベ女が。図星だろ?」
「目がトロリとしてきてるぜ。もう感じてんだろ?言葉だけで、こんなに濡れちまう変態なんだ、お前は」
その言葉が、最後の引き金だった。私の微かな表情の変化を、男たちは見逃さなかった。
「そんなに欲しいなら、まず自分でやってみせろよ。いつも一人でやってるみたいに、俺たちの前で、そのデカい乳を揉んでみろ」
命令。それは抗いがたい魔力を持っていた。震える指が、まるで他人事のようにワンピースの上から自分の乳房を掴む。そして、その行為を、男たちは汚い言葉で実況し始めた。
「そうそう、もっといやらしく鷲掴みにしろよ。お前の指、エロい動きするじゃねえか」
「乳首を指で挟んで、クリクリ回してみろ。それだけでビクッてなるんだろ?見せてくれよ」
物理的な刺激と、耳を犯す卑猥な言葉のシャワー。その相乗効果で、脳の芯が痺れていく。ワンピースをずり下ろされ、白く豊かな美乳が暗闇に晒されると、男たちの欲望のこもった溜息が聞こえた。
「自分で乳首を弄りながら、どんな顔してんのか見せろよ」
言われるままに、硬くなった先端を指で転がす。ああ、もうだめ。こんなの見られたら…。羞恥心と快感がせめぎ合い、口からは「んんっ…」という甘い吐息が漏れてしまう。
「いい声じゃねえか。次は下だ。どうせノーパンなんだろ?その濡れたアソコ、俺たちに見せてみろよ」
理性はもう、九割方吹き飛んでいた。羞恥心は、見られることへの興奮へと姿を変えていた。私は自らスカートの裾をたくし上げ、男たちに見せつけるように、ゆっくりと脚を開いた。
「すげえ…こんなにビショビショじゃねえか…。昼間のツラからは想像もつかねえ淫乱だな、お前」
「自分で開いてみろよ。お前のスケベな穴を、俺たちによく見せろ」
命令されるままに、指で湿った花弁をこじ開ける。蜜で光る内部が露わになると、男たちの息が荒くなるのがわかった。それが、たまらなく気持ちいい。私はさらに大胆に、見せつけるように腰をくねらせ、自分の指で蕾をこすり始める。
「あ…あっ…んぅううっ…!」
もう声は我慢できなかった。男たちの視線を浴びながら、命令されるままにオナニーをする。これ以上の屈辱が、これ以上の快感が、この世にあるだろうか。絶頂がすぐそこまで迫ったその時、私は理性の最後の欠片を投げ捨て、喘ぎながら懇願していた。
「もう…だめぇ…っ!おねがいします…っ、あなたの…あなたの硬いので…私を、貫いてくださいぃ…っ!」
その言葉を聞いた男たちは、勝利を確信したように下品に笑った。
「ハッ、やっと本性見せやがったな、この変態メス豚が!」
一人の男が、私の目の前にその欲望の象徴を突きつけてきた。むわりと立ち上る、むせ返るような雄の匂い。屈辱に顔を背けようとしたが、顎を掴まれ、逃げることは許されない。
「お望み通りにしてやるよ。まずはその生意気な口で、俺を喜ばせてみろ」
抵抗は、もはや意味をなさなかった。恐る恐る唇を開き、熱い先端を受け入れる。生々しい匂いと感触に、一瞬、吐き気がこみ上げた。けれど、その屈辱感が、不思議と下腹部の熱をさらに煽っていく。脳が麻痺し、むせ返るようだった匂いが、いつしか私の理性を溶かす媚薬へと変わっていた。
最初はただ受け入れるだけだった唇が、舌が、いつの間にか能動的に動き始めていた。まるで極上のスイーツを味わうように、ねっとりと絡みつき、吸い上げ、彼の短い呻き声を聞くたびに、背徳的な悦びが全身を駆け巡る。
ああ、もうだめ。口の中の熱だけで、イってしまいそう。
その興奮に耐えきれず、空いていた私の手が、まるで意思を持った生き物のように、するりとスカートの中へと滑り込んだ。蜜でぐっしょりと濡れたそこに指を伸ばし、硬くなった蕾をこすってしまう。
その瞬間、頭の上から嘲るような声が降ってきた。
「おいおい、マジかよ。口で俺のにしゃぶりつきながら、下は自分でイジってんのか!とんでもねえスケベだな、お前!最高にいやらしいじゃねえか!」
その言葉が、最後の理性の糸を、無慈悲に焼き切った。
「あッ…!ちが…あっ、あああああんっ!」
否定の言葉は、もはや意味のない喘ぎ声に変わる。男たちに軽々と身体を抱え上げられ、壁に押し付けられた。一人の男が私の顔を固定し、啼き続ける口を、先ほどとは別の、さらに太く硬いもので乱暴に塞ぐ。
そして、私の足は別の男たちによって大きく開かれ、蜜で光る入り口に、熱く脈打つ楔が押し当てられた。
「見ろよ、こいつの割れ目…!俺のを欲しがって、ヒダがピクピク吸いついてきてやがるぜ…!」
ゆっくりと、しかし抗いがたい力で、それが私の内側をこじ開けてくる。ああ、ダメ、そんなに太いの、入らな…。私の内壁は、悲鳴を上げるように激しく収縮し、侵入者を拒もうとする。だが、その抵抗こそが、男の欲望をさらに掻き立てた。
「くっ…!なんだこの締め付けは…!奥がギュンギュン脈打って、俺のを飲み込もうとしてやがる!この女、名器だぜ!」
男たちの歓喜の声が、最高の媚薬だった。もう、「私」という意識はどこにもない。思考は停止し、ただ快感を受け入れ、雄を悦ばせることだけを求める「メス」の本能が、この身を支配していた。
「もっと…もっと、激しくしてください…っ!あなたの全部で、私をめちゃくちゃにしてくださいぃ…っ!」
「言われなくてもそうしてやるよ!もう人間じゃねえな、お前はただのメスだ!俺たちの子種を腹いっぱい受け止めるだけのな!」
その言葉が合図だった。上下の口から、同時に激しい衝撃が私を貫く。口の中では荒々しく、そして私のいちばん奥では、子宮の入り口を抉るように、深く、重く。
視界が白く点滅し、思考も、プライドも、神崎美月という存在の全てが、その灼熱の奔流に飲み込まれていく。上からも、下からも、熱く、濃いものが、溢れるほどに注ぎ込まれ、私の全てを満たしていく。私はただ壁に凭れたまま小さく痙攣し、白目をむいて、快感の光の中に意識を手放した。
—
はっ、と我に返った時、私はまだ公園のベンチに座っていた。
頬を撫でる夜風の冷たさが現実を教えてくれた。
スカートの中にそっと手を入れると、指先がぐっしょりと濡れそぼっていた。
ああ、私はなんて女だろう。
だが、このどうしようもない衝動こそが、紛れもない、本当の私なのだ。
この秘密を、誰にも言えないこの熱を、私は今夜も日記にだけ、正直に書き記す。

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