【神崎美月の痴女日記】スーツの下の秘密。電車で向けられる視線が、私の痴女願望を加速させる。

10月1日・水曜日

また、この季節が巡ってきた。乾いた風が摩天楼の間を吹き抜け、私の頬を冷たく撫でる。朝の冷気は、思考をクリアにするためのカンフル剤のよう。今日もまた、戦いが始まるのだわ。

今日は郊外に本社を構える大手メーカーとの重要なミーティング。この数週間、私のチームが心血を注いできたプロジェクトのマイルストーンとなる日。プレゼンテーションの最終調整を終え、寸分の隙もなく磨き上げたロジックを頭の中で反芻する。身に纏ったのは、イタリア製のチャコールグレーのスーツ。知的で、それでいて女性としてのしなやかさも失わない、私のための戦闘服。

けれど、この完璧に構築された「神崎美月」というペルソナの下に、もう一人の私がいることを、誰が知っているというのかしら。最近、過度のプレッシャーは、私の理性の堤防を少しずつ侵食し始めているの。そして、その亀裂からじわじわと溢れ出してくるのは、自分でも持て余すほどの、暗くて甘い欲望。

今日の「仕掛け」は、自分でも少し大胆すぎるかしら、と一瞬ためらいが心をよぎった。ジャケットの下に着たシルクのブラウス。その滑らかな感触を素肌で直接味わいたくて、私はブラジャーを着けなかった。激しく歩けば、私のFカップの胸は重力に従って艶かしく揺れるはず。鋭い観察眼を持つ男性なら、その微細な振動から、私の秘密に気づいてしまうかもしれない。そして、タイトスカートには、深く、挑発的なスリット。椅子に腰かければ、ストッキングに包まれた太ももが、惜しげもなく露わになる。

そう、私はいけない女。昼間の私に向けられる男たちの視線こそが、夜の私を慰めるための、何よりの媚薬なのだから。

東海道線のボックスシートは、幸か不幸か、私のささやかな実験舞台には最適だったわ。窓際に腰を下ろすと、向かいにも、そして隣にも、人の良さそうな、しかしどこか疲れを滲ませた中年男性が座った。

私はハンドバッグからプロジェクトの資料を取り出し、熱心に目を通すふりをしながら、計画を実行に移す。そっと、ブラウスの上から三番目までのボタンを外した。これで少し前かがみになれば、豊かな胸の谷間が深く覗き、角度によっては、その先端の小さな蕾まで見えてしまうかもしれない。

果たして、ゲームはすぐに始まった。最初に向かいの男性の視線が、私の足元で逡巡するのがわかった。スリットから覗く太ももに、彼の無意識が引き寄せられている。私は応えるように、組んでいた足をそっと解き、僅かに膝を開いてあげた。彼の喉が、小さく動いた気がしたわ。

次に、隣の男性。新聞を読むふりをしながらも、その視線が私の胸元に何度も滑り落ちるのを感じる。彼の好奇心に火を注ぐように、私はわざと少し猫背になって、資料を覗き込む姿勢をとった。ブラウスと肌の間に生まれた甘美な隙間。きっと、ノーブラである私の柔らかな膨らみと、硬く色づき始めた突起が、彼の目に焼き付いているはずだわ。

二方向からの、粘つくような視線。それはまるで、私の心と身体を同時に査定するデューデリジェンスのよう。品定めされる屈辱と、見られているという背徳的な興奮が、私の中で混ざり合っていく。ああ、ダメ…感じてしまう。彼らの欲望が、私の乳首を硬く、尖らせていく。下腹部の奥深くで、熱い泉が疼き始め、抗えないほどの蜜がじわりと滲み出してくるのがわかる。

私は、濡れてしまった内側を隠すように、太ももをそっとすり合わせた。その微かな動きの意味を、向かいの男はきっと理解したはずだわ。彼の目が、一瞬だけ、獣のようにギラついたのを、私は見逃さなかった。

もう、止められない。私の内に棲む「痴女」が、完全に目を覚ましてしまった。私はさらに膝を開いた。向かいの男の視線が、私の足の付け根…スカートとストッキングの間の、禁じられた三角地帯に突き刺さる。もしかしたら、濡れてしまったシルクのパンティーの、恥ずかしい染みまで見えてしまったかもしれない。

男たちの視線を全身で浴びながら、私はただ太ももを震わせることしかできなかった。脳が焼き切れそうなほどの快感に、意識が遠のきそうになる。その時、無情にも電車は目的地の駅へと滑り込んだ。

私は冷静を装い、しかし早足でホームに降り立つと、迷わず多目的トイレのサインへと向かった。重い扉を閉め、カチャン、と鍵をかける。その無機質な音が、現実と妄想の境界線を曖昧にするスイッチだった。

ジャケットを脱ぎ捨て、ブラウスのボタンを引きちぎるように開け放つ。鏡に映ったのは、頬を紅潮させ、目は潤み、硬く尖った乳首を晒す、見知らぬ女の姿。

スカートをたくし上げ、ガーターベルトで吊られたストッキングの向こう側、すでに恥ずかしいほど湿ったパンティーに指を触れる。

「…もっと、見たかったんでしょう?」

頭の中に、さっきの男たちが現れる。あの電車の中で、退屈と疲労に濁っていたはずの瞳が、今はただ純粋な欲望にぎらつき、私だけを映している。彼らがこの狭い個室に、音もなく押し入ってきて、私を取り囲む。逃げ場はない。いいえ、最初から逃げる気など、なかったのだわ。私の全てを、その飢えた視線で貪るように見つめている…。

その幻想に取り憑かれながら、私は震える指で、濡れて肌に張り付いたシルクのパンティーのクロッチに触れた。

「遠慮しなくていいのよ…もっと、近くで見てちょうだい…」

妄想の中の男たちに囁きかける。それは、私自身に言い聞かせている言葉でもあった。

ゆっくりと、生地を横にずらす。じっとりと湿った感触が、羞恥と背徳感を煽るけれど、それ以上に、見られているという意識が全身の神経を粟立たせる。幻想の視線が、まるで物理的な熱線のように、露わになった私の中心部に突き刺さる。焼かれるようなその感覚に、思わず腰が小さく震えた。

ああ、なんてこと。私の内側は、もう彼らの欲望を迎え入れる準備ができて、熱く、とくとくと脈打っているのがわかる。まるで、彼らの視線そのものが、私を熟させていく太陽のようだわ。

私は、見せつけるように、そっとそこに自分の指を沈めた。

瞬間、びくりと身体が跳ねる。熱い粘液に包まれた指先に、内部の柔らかな襞が絡みつく。それは紛れもなく自分の指なのに、まるで、あの男たちに直接内部を暴かれているような、倒錯した感覚に襲われる。

「…どう? あなたたちが想像していた通りかしら…?」

私の指が一ミリ動くたびに、幻想の男たちの息遣いが荒くなるのが聞こえるようだわ。彼らの視線が、私の指の動きを追い、私の身体の反応を一つも見逃すまいと注がれている。その濃密な視線のプレッシャーが、快感を何倍にも増幅させていく。

恥ずかしい。こんな姿、誰にも見られてはいけない。けれど、嬉しい。もっと見てほしい。私の痴女としての本性が、彼らの視線を養分にして、今、満開に咲き誇ろうとしている。

指をゆっくりと抜き差しするたび、甘い水音が狭い個室に響く。その音が、さらに私の理性を麻痺させていく。もう、自分がどこにいるのかさえ曖昧になってきた。ここはトイレなどではない。私の、私のための、喝采なき舞台なのだわ。

内部の最も感じやすい一点に指先が触れたとき、背筋に電流のような快感が駆け抜けた。

「あ…っ!」

思わず漏れた声は、しかし誰にも聞こえない。ただ、妄想の男たちの耳にだけ届き、彼らの欲望をさらに煽る媚薬となる。

「もっと、もっとよ…!」

彼らの目が、私に懇願している。もっと乱れろ、と。もっと感じて、その恥ずかしい姿を我々に見せろ、と。その無言の命令に、私はもう抗えない。思考の回路が一つ、また一つと焼き切れ、残るのはただ感じることだけを許された、雌としての本能。

視線に焼かれ、高まりきった身体は、もはや指の微かな動きだけで、あっけなく限界点へと達する。身体の輪郭が溶けて、視界が真っ白に染まっていく。自分の声にならない声が耳の奥で木霊し、私はただ熱い奔流の渦に、なすすべもなく飲み込まれていった。

すべてが収束したとき、そこには彼らの満足げな視線だけが残っていた気がした。


数分後。私は乱れた服装を完璧に整え、鏡の前で口角をきゅっと引き上げた。そこにいたのは、いつもの冷静沈着なコンサルタント、神崎美月。

何事もなかったかのようにトイレを出て、クライアント企業の受付へと向かう。私の足取りは、先ほどまでとは比べ物にならないほど、軽く、自信に満ち溢れていた。

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この記事を書いた人

はじめまして、美月です。昼間は丸の内で働くコンサルタント。夜は、誰にも言えない秘密のレビューを、この場所だけで綴っています。あなたと、特別な時間を共有できたら嬉しいな。

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