昼は弁護士、夜は自分で選ぶ痴女。神崎美月の秘密の記録

【神崎美月の痴女日記】仮面の三人に、私が配役を決めた夜

11月6日(木)秋雨

秋雨が、渋谷のアスファルトを黒く濡らしていた。

午後の証人尋問は、四十分で終わった。相手方の証人は、二度、自分の言葉に詰まった。三度目は、私が詰まらせた。

タクシーを降りたのは、松濤の古いマンションの前だった。部屋を貸してくれたのはXで、アプリで知り合ってから半年、彼とは三度しか会っていない。今夜の客を集めたのも彼だ。客の条件を書いて渡したのは、私だった。

仮面をつけてくること。男が二人。それから、女が一人。

椅子

ドアを開けると、蝋燭の灯りだけが揺れるリビングに、仮面の三人がソファに並んで座っていた。黒い仮面の男が二人。銀の仮面の女が一人。Xは、壁際に立って腕を組んでいた。

部屋の真ん中に、肘掛けのない椅子が一脚、置いてあった。

私は、誰にも促されないうちに、その椅子に座った。脚を組む。グレーのシルクのワンピースの裾が、太腿の半ばで止まった。その下で、ガーターの留め具が冷たかった。

三つの仮面が、私の脚の線を、下から順に上がってくる。

「……今夜は、見ているだけでいいわ。最初は」

声が、尋問の最後の質問をするときと同じ高さになっていた。

見せる順番

まず、ワンピースの上から、左の胸をなぞった。シルク越しに、先端が硬くなっていくのが、蝋燭の明かりでも分かったはずだ。ソファの男の一人が、膝の上で手を握りしめた。

胸元のボタンを、一つずつ外す。黒いシルクのブラジャーが、灯りの中に出た。カップの縁を指で押し下げて、先端を、三人の前にこぼした。

指で摘んで、転がした。

仮面の女が、唇をわずかに開けた。男たちより先に、彼女の喉が鳴った。

もう片方の手を、スカートの中へ滑らせた。シルクの小さな布の上から、いちばん熱いところを押さえる。指先に、じっとりとした湿り気が伝わった。

「……っ、ん」

円を描くように撫でると、腰が椅子の上で小さく浮いた。三人が、同時に身を乗り出したのが分かった。

脚を開いた。

クロッチを指で横によけて、濡れきったところを、蝋燭の灯りに晒した。透明な蜜が、指と肌のあいだで糸を引いた。尖りに、直接触れる。

「んっ……ぁ、あ……っ」

天井を仰いだ。見られている。三人分の視線が、指の動きに合わせて、肌の上を這っていく。その視線の重さで、指の快感が何倍にもなった。

配役

一度、波の手前で、指を止めた。

それから、ソファの三人を一人ずつ見た。

「あなた」

銀の仮面の女を、指で呼んだ。

「ここ。胸を」

彼女は、ほとんど音を立てずに立ち上がって、私の椅子の横に膝をついた。温かい舌が、硬くなった先端に絡んだ。吸われて、軽く歯を立てられる。女の舌は、男の舌よりもずっと、どこが弱いかを知っていた。

「あなたは、前」

声の低い男が、私の前に跪いた。仮面の下の唇が、脚の付け根に近づいてくる。熱い息がかかって、それから、舌がいちばん敏感なところを捉えた。

「それから、あなたは」

もう一人の男は、私の顔の高さに立っていた。ベルトの金具を外す音。仮面の目の穴から、彼が私を見下ろしている。

私は、彼の熱く硬くなったものを、自分の手で口元へ引き寄せた。

三つの熱

口の中が、男でいっぱいになった。

胸の先には、女の舌。脚のあいだには、もう一人の男の舌。三方向から同時に責められて、頭の中で何かが鳴りはじめた。

声は、口の中の男に塞がれて、喉の奥で震えるだけだった。その震えが、口の中の男を、もっと硬くしていく。

女が、先端に強く歯を立てた。

それが引き金だった。

脚のあいだの舌に、腰を押しつけたまま、一度目の波が来た。椅子の上で体が跳ねて、口から男が外れた。

息を吸い直す。三つの仮面が、私の言葉を待っていた。

私は、まだ痙攣している脚を、もう一度開いた。前に跪いている男の髪を、指で掴んだ。

「……次は、あなたの。入れて。……私の、おまんこに。奥まで」

饗宴

男が立ち上がって、椅子の前で私の腰を引き寄せた。熱く硬いものが、濡れきった入り口に押し当てられて、そのまま奥まで沈んできた。

「ああっ……!」

奥を突かれるたびに、椅子の脚が床を鳴らした。口には、もう一人の男がまた戻ってくる。女の指が、男が出入りしているそのすぐ上の尖りを、細かく擦りはじめた。

二度目は、すぐに来た。三度目は、二度目が引く前に来た。

誰がどこにいるのか、分からなくなった。分かっているのは、全員が、私の言った場所にいるということだけだった。

雨の音

どれくらい経ったのか、分からない。

蝋燭が一本、燃え尽きていた。三人は、いつの間にか仮面をつけたまま部屋を出ていった。残っていたのは、壁際のXと、ソファの上の私だけだった。

「……いつから、ああいう段取りを考えていた」

Xが、ペットボトルの水を差し出しながら聞いた。

「客の条件を書いた日から」

窓の外で、まだ雨が降っていた。

明日の朝は、十時から別の尋問がある。相手方の証人に、一人ずつ、どこに立つかを決めさせない。決めるのは、こちらだ。

この夜の続きを、貴方も目撃する…。

昼の私と夜の私の物語は、連載『痴女弁護士・神崎美月』で続いています。新しい話のお知らせと、ここでしか読めない番外編は、メールマガジンでお届けします。

→ 今夜の続きを、映像で覗いてみる…

この記事を書いた人

はじめまして、神崎美月です。昼間は法律事務所で書面を書いている弁護士。夜の私が何をしているのかは、この場所と連載に書いています。あなたと、特別な時間を共有できたら嬉しいわ。

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